通勤定期は元から値段が決まっているから安くはならないと思っていませんか。会社員の方たちの大きな固定費となっている通勤定期ですが、多くの方が実は今より安くすることができます。
今回紹介する方法は通勤距離が長ければ長いほど大きな効果を得られやすいです。また、安くするだけではなく定期の区間を広げることができる場合もあるので、今までは定期圏外であった場所にも運賃をかけずに行ける可能性もありますので、定期をより便利にすることも可能とメリットだらけです。方法さえ知っていれば簡単にできるのでぜひ実践してみてください。
通勤定期のパターン毎に分けているので、みなさんの通勤定期の区間と照らし合わせて参考にしてください。上から順番に実践していくと、最安値で購入できるように解説していきます。
目次
JR編
JRでは主に定期区間の「分割購入」という方法を使います。分割購入とは簡単に説明するとA駅→C駅区間の定期を購入する際にA駅→B駅、B駅→C駅というようにわけて購入する方法です。なぜ安くなるのかですが、JRの料金計算が何km~何kmまではいくらと決まっていることや私鉄との競合区間を安くしているからです。学生の通学定期ではこの方法は使えませんので、ご注意ください。
どのように「分割定期」を分割するか検索
「分割.net」を利用する方法
こちらのサイトを使うことによってどの区間で分割するかを決定することができます。サイトの操作性が良く、次に紹介する「乗車分割プログラム」より簡単に検索することができます。
操作説明ページがないため、簡単に説明すると
- 「乗車分割検索」をクリック
- 購入予定の区間がどこの近郊にあたるかを選択
- 出発駅の路線を選択→駅を選択
- 到着駅の路線を選択→駅を選択
このようにすることでどこの駅で分割するかを把握することができます。
注意点としては近郊の区間だけ検索対象ですので、超長距離の場合は対応していません。そのため、こちらのサイトで検索できない区間の場合は次に紹介する「乗車分割プログラム」をご活用ください。
「乗車分割プログラム」を利用する方法
こちらのサイトを使うことによって上記のサイト同様、どの区間で分割するかを決定することができます。
こちらのサイトを使う際の注意点として路線名が
- 京浜東北線「大宮 → 横浜」: 「大宮」→「東北本線(東京-盛岡)」→「東京」→「東海道本線(東京-神戸)」→「横浜」
- 埼京線「大崎 → 大宮」: 「大崎」→「山手線(品川-田端)」→「池袋」→「赤羽線(池袋-赤羽)」→「赤羽」→「東北本線(赤羽-大宮)」→「大宮」
- 湘南新宿ライン「新宿 → 小田原」: 「新宿」→「山手線(品川-田端)」→「品川」→「東海道本線(品川-鶴見)」→「鶴見」→「東海道本線(東京-神戸)」→「小田原」
- 中央本線「東京 → 新宿」: 「東京」→「東北本線(東京-盛岡)」→「神田」→「中央本線(神田-代々木)」→「代々木」→「山手線(品川-田端)」→「新宿」
- 中央本線「名古屋 → 多治見」: 「名古屋」→「東海道本線(東京-神戸)」→「金山」→「中央本線(金山-塩尻)」→「多治見」
とJRの使用する正式名称となっているので、そこだけ検索の際に注意してください。
操作方法も少し特殊ですので、下記の操作方法を確認しながら行ってください。
分割の回数に関してなのですが、Suica等のICカード定期券を使いたい場合は2分割までしか行なえません。3分割以上の場合は磁気定期券(普通の切符のような紙媒体)でしか発行できません。
改札を出る際にはどちらも普通に出ることができます。
上記2つ以外の運賃検索サイト等で運賃を確認
「乗車分割プログラム」では「大都市近郊区間制度」を採用していないので、東京近郊などの大都市圏では運賃が最安値で表示されません。
「大都市近郊区間制度」とはこの区間内のみを乗車する場合は、実際に乗車する経路にかかわらず「最安の運賃となる経路の乗車券」で乗車することができるというJRの制度です。そのため、実際に乗車可能な運賃より高く表示される場合がありますので分割区間を確認後、他の運賃検索サイト等で再度同じ区間で運賃を確認するとより確実です。
「大都市近郊区間制度」の対象外地域であっても「乗車分割プログラム」や「分割.net」は個人運営のサイトですので、アップデートにずれが生じている場合もあります。そのため、どの区間で買う際にも念のために他の運賃検索サイト等で確認を行うことをオススメします。
こちらのNAVITIMEで無料で定期代を検索できますので、ご活用ください。
定期の購入期間の選択
通勤定期は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と選んで購入することができますが、この際に必ず6ヶ月を選ぶようにしましょう。定期はまとめて買えば買うほど割引を行ってもらえます。どのような場合でも6ヶ月分をまとめて購入することによって、最大の割引を受けることができます。
6ヶ月分をまとめて買うと購入費の負担が一時的に大きくなりますが、クレジットカードを使うことによって擬似的に分割払いを行うことができます。
通常、定期券の購入はクレジットカードの一括払いでしか購入できませんが、クレジットカードの機能の中で後から分割払いに変えることができる機能がついているカードがあります。それを使うことで、分割払いにすることが可能になります。また、分割払いであっても支払回数が2回までであれば、手数料等は基本的にどのカード会社も取らないので、分割払いをする場合は2回払いまでをオススメします。
「分割定期」購入時の注意点と購入方法
実際に定期を分割定期として購入する際の注意点ですが、初めて分割定期を購入する際はみどりの窓口で購入の際に駅員に対して「分割定期で」ということを伝えるようにしてください。これを伝えないとあまりないことですが、慣れていない駅員は分割定期にならない場合があります。
また、磁気定期券の場合は複数枚になる関係上、連結処理を行わないと入場と出場の記録が合わなくなってしまうので改札が利用できなくなってしまいます。こちらも発行の際に連結処理をお願いするようにしましょう。
クレジットカードで買う際なのですが、クレジットカードのセキュリティの関係上、連続で換金性の高い商品を決済できません。そのため、1枚のクレジットカードで2,3枚目以降の磁気定期券がエラーとなり決済できない場合があります。購入の際には必ず複数枚のクレジットカードを持っていくようにしてください。
定期の申し込み用紙には区間の欄を2分割なら2段にというように分けて書けば問題ないです。
例えば横浜~東京間を買う際は横浜~蒲田、蒲田~東京と買うのですが
こちらの赤枠内のように2段に分けて書くことで、1枚の用紙で購入可能です。
継続購入
分割定期を一度みどりの窓口で作成してしまえば、継続購入は以前と同じように自動券売機で継続購入をすることができます。そのため、手間がかかるのは最初の一回のみです。
私鉄編
私鉄の場合はJRと異なり、分割購入というのができません。そのため、定期代を安くするには「株主優待乗車証」を使います。
「株主優待乗車証」とは発行している私鉄が6ヶ月間乗車賃無料で乗れるという株主優待です。この「株主優待乗車証」とご自身の定期代を比較して「株主優待乗車証」のほうが安ければその分節約ができます。「株主優待乗車証」は磁気式なので普通の切符のように改札を通ることができます。
こちらのほうが安い場合は定期代わりになるだけでなく、その会社の駅ならばどこでも無料となるので、休日やプライベートのお出かけでも運賃を大きく節約することもできます。
「株主優待乗車証」の購入方法
私鉄の株主優待を直接手に入れることは数千万円程度株を買う必要があるので、現実的ではありませんが次に紹介する方法で手に入れることができます。
ヤフオク!で購入する
「株主優待乗車証」が配布される時期になると、ヤフオク!に出品されます。ネットで手軽に確認することができるので、まずはこちらで探してみると良いと思います。
「株主優待乗車証」が配布される時期は
- 有効期限が6月1日〜11月30日分→5月下旬頃到着
- 有効期限が12月1日〜翌年5月31日分→11月下旬頃到着
となっていますので、5月下旬頃と11月下旬頃に検索をすると手に入れやすいです。
出品されることを毎回確認するのは面倒なので、検索欄で「株主優待乗車証 使用する路線名」で検索をしたあとに
赤枠内の「お探しの商品の新着出品メールを登録」ボタンを押すことで新しく出品された際にメールで通知してくれます。
ヤフオクではクレジットカードでの決済が行えるので、擬似的に分割払いにすることが可能です。また、Tポイントを支払いの際に使用することもできるので、貯まったTポイントの消化先としても使えます。
金券ショップで購入する
金券ショップにも「株主優待乗車証」が並ぶことがあります。こちらもヤフオク!と同様に5月下旬頃と11月下旬頃が一番売っている可能性が高いので、この時期に探してみてください。
金券ショップのほうがヤフオク!より安い場合もありますので、近くに金券ショップがある方は一度はその金券ショップでの相場を把握しておくと、より安く買うことができます。
金券ショップではクレジットカードが使えないので、支払い方法は現金一括払いのみとなります。
「株主優待乗車証」購入時の注意点
値段がヤフオク!出品者や金券ショップによってバラバラなので、何円以下なら自分で通勤定期を6ヶ月分買うより安くなるのかということをしっかり把握しておく必要があります。また、有効期限が固定なので遅く買えば遅く買うほど短い期間しか使うことができません。このような値段と期間をしっかりと考慮した上で購入する必要がありますので、ご注意ください。
定期代を会社から支給されている方で、領収書等が必要な方はこの方法で購入した場合に定期代としての領収書が発行できないのでご注意ください。
まとめ
定期は決まった値段で節約できないと思われていた方も、これらを実践してみて安くお得に定期を買ってみてください。また、定期の範囲を広げることができればプライベートでも運賃の節約に繋がるので、どこまで同じ値段で広げられるかぜひ試してみてください!